まちの木こり人育成講座

 
  第4回まちの木こり人育成講座が7月9日 三重県亀山市加太にある 「向井の森」で開催されました。
  今回の講座内容は 「間伐の基本・山で使うロープワーク」。 
  まちの木こり人を目指す13名が参加者し、午前中は向井の森のフィールドで、 もやい結び、ねじ結びなど 
  必ず覚えてほしい基本的な結び方を 状況に応じて使えるよう練習したほか、 木登りのテクニックである
  「ぶり縄」やワンタッチラダーの使い方等も合わせて練習しました。 その後、グループに分かれて ロープ
  とワンタッチラダーを使って桧の伐倒に挑戦しました。 
  昼食後は、向井の資材置き場に戻り、ロープのアイ加工の実習とロープワークのおさらいをしました。
  
  山作業では ロープワークの種類を沢山覚える必要はありません。 必要最低限の結び方を どんな状況で
  も使えるように確実に覚えることが大事。 体で覚えることを意識して繰り返し練習しないと、いざという時に
  使えないということになります。 普段から細い紐を持ち歩いて 時間がある時に練習することをお勧めします。
 
  次回の講座は、9月10日。 この向井の森で「選木とマーキング」を予定しています。 

  
昼前、駐車場に戻るために一足先に下山したOさんが 山道で足を滑らせて滑落し左足を骨折するという
  アクシデントがあり、急遽 講習を中断して救助活動にあたるなど対応に追われましたが、全員の協力もあって
  2時間後には 亀山市の病院に入院させることが出来ました。
  雨上がりで足元が滑りやすかったことと バランスを取ろうと掴んだ木が腐っていて折れるなど ちょっとした
  油断に不運が重なったことが原因と考えられますが、山ではいたるところに危険が隠れています。

  慎重な行動は やりすぎ・考えすぎくらいで ちょうど良いのかも知れません。
    

No.4

「ぶり縄」を使った木登りの実演をしているところ。
 麻縄と2本の撞木(しゅもく)で構成されたこの「ぶり縄」。
昔から木登りの際に使用されてきた道具で ロープの巻き方などコツを覚えれば 誰でも木登りができる。 
但し、足を上げて立ちこむ動作や、二の腕の疲労など 見た目ほど楽ではない。
日頃の運動不足、体の硬さを思い知ることになる。

 ぶり縄の2段目にのり さらに3段目の準備をしているところ。
 6m以上の枝を打つなら 3段目へ立ちこむ必要がでてくる。
 2段目に立つと 目の高さは5m近くとなり けっこう高度感があるし
 効率的な動作をしないと腕・足が疲れることになる。

 「ぶり縄」の結び方を練習する。 段取りよく作業するために 余っているロープにも 注意を払う癖をつけよう。
 

 「ぶり縄」に足をかける。
 案外、思っているよりも足は上がらないものだ。
 後ろは ワンタッチラダーで登る練習をしているところ。
 どちらもバランスよく登りたい。
 

 

 「ぶり縄」に乗ってみる。
 慣れないと 足元が頼りない気がするが、
 きちんとロープをかけて正しく乗れば
 まずズレ落ちることはない。
 不安になって 足を動かしていると 
 グラグラしてきてロープが緩んでくることに 
 なる。

 
 

 木登りは 間伐、枝打ちなど山の作業では欠かせない技術。
 ぶり縄でもワンタッチラダーでも繰り返し練習し、しっかり覚えよう。
 とにかく現場では、うる覚えのまま使わないことと 慌てないことが
 安全作業に繋がっていく。
 
 

 完成したアイ加工。
 自分で作った道具には 愛着もでてくる。

 もやい結びが完成したところ。
 ロープの左側が元、右側が端・・・・ 覚えていますか?