「これは 吉兵衛(よしべえ)という天然絞りの樹種。
苗の値段は普通のヒノキの10倍くらいはしたらしい。
世が世であれば 1本10万円以上で売れたであろうこの
天然シボのヒノキも今は1本数千円で売れるかどうかと
いう。
それにしてもこのヨシベエ、鹿にすっかり樹皮を食べられてしま
い、まさに泣きっ面にハチ。これでは植えた人も浮かばれまい
と思うのは 筆者だけではないはず。
「森林作業の合間に、聞こえてくる鳥の声に耳を傾けると ホッとした気持ちになりますよ」と話す菰野県民の森の裏川さん。
話は、野鳥の特徴の一つ「渡り」の解説から森の中での役割や棲み分けの話、やがては鳥の巣箱の作り方・取り付け方にまで及びました。
( 筆者は以前、三田の山で伐った松の大木に腰掛けて休んでいた時 様子見に近寄ってきたルリビタキの瑠璃色の羽根の綺麗さにえらく感動したことがある)
7月8日(日)、亀山市板屋にある亀山市林業センターで 第3回 「はじめの一歩講習会」が開催されました。 菰野県民の森職員・裏川さんと加太在住の植物研究家・川北さんが、それぞれ忙しいスケジュールの中で時間を割いて本講座の講師を快く引き受けてくださいました。
まず裏川さんには 野鳥の生態と特徴をわかりやすく解説していただき、川北さんには 向井の森F1の植物の話をしていただきましたが、特に川北さんの、多忙な講演活動の合間を縫って事前にF1に入って調べ上げたおよそ100種の樹木リストを元にした解説は圧巻で、裏川さんの野鳥の話ともども興味深く聞かれた参加者も多かったのではないでしょうか。
講義の後、全員徒歩でF1に向い、9ha余りの活動地を半周して、林道の傍らや活動地の植物について 詳しく、そして楽しく解説していただきました。
まちの木こり人育成講座
第3回 「はじめの一歩」
森で見る野鳥・植生調査方法・動物の痕跡
F1のほぼ中央部に位置する広場で一休みする。
20人くらいなら腰掛けて十分くつろげる広さがある。
間伐作業や観察会活動などの拠点ポイントとして
将来的には F1の重要な存在になるにちがいない。
F1に向かいながら 林道脇の樹木について解説する川北さん(右から二人目)
「実は 山の中より そこに至る林道のほうが植生が豊富だったりする」らしい。
「退職したら 思う存分自分の山の手入れをするつもりだったのに、 あちこちから植物解説の依頼話を受けている内に、それがメインになってしまった」と話す川北さん。
そんなこともあってか、話は 「山の良し悪しは 下草の有無で判断すべし」という 「川北式間伐法」から始まりました。
三重の植物に関しては 三重県下では 第一人者ともいわれる川北さん、市井の植物研究家としてほぼ毎週末 請われて山に出かけるという。
次々と現れる樹木の話をしていると
質問も出てくる。
そのせいもあって歩はなかなか前に進まない。